近年、終身雇用の崩壊や雇用形態の多様化、リモートワークなど働き方の変化から、以前よりも柔軟な働き方ができるようになりました。そして、従業員が働き方を選べるようになったことで、企業に対する意識や見方、帰属意識や会社への貢献姿勢も変わりつつあり、企業は優秀な人材を確保するために、より一層の努力が求められています。そんな中、企業で働くすべての従業員のパフォーマンスを最大限に高める取り組みとして従業員体験「EX(Employee Experience)」という考え方に注目が集まっています。

企業で働くすべての従業員の体験をデザインする「EX(エンプロイーエクスペリエンス)」という考え方

EXとは何か

EXとは、もともと顧客体験を意味するCX(Customer Experience)から派生した言葉です。CXとは、企業が顧客に提供する製品やサービスといったさまざまな体験を価値として提供し、顧客満足度を向上させることで企業のブランディングや成長につなげるという考え方です。EXは、従業員が働くことを通して得られるスキルや経験から満足度や幸福度を高め、一人ひとりが会社への貢献意欲を持つことで、顧客満足度の向上や企業の安定経営・成長を後押しするという考え方です。

EXが注目されてきた背景はいくつかあります。前述した通り定年まで働き続けることがなくなってきたこと、働き手はスキルアップやワークライフバランスのために働きやすい環境に積極的に転職するようになってきたことがあります。また少子高齢化により労働人口の減少が進み、人手不足の穴を埋めるために従業員一人ひとりのパフォーマンスを高める必要も出てきています。これらの理由により、これからの企業は従業員との良好な関係性を構築し、より人材の育成と雇用維持を重視する傾向になっていくと思われます。

EXを実現した企業例

ここで、EXの思考を取り入れて成功している事例を二つご紹介します。

グローバル企業である某社は、いち早くEXの考えを戦略的に取り入れ成功した企業の一つで、EX専門の部署を設置し、従業員の満足度を高めパフォーマンスが向上するよう、オフィスの整備や利用機器の手配からキャリアアップの学習支援、報酬などの制度など、あらゆる観点から従業員満足度の向上に繋がる施策を行いました。その結果、企業の成長をはじめ、優秀な人材を集めるなど採用面でも大きくリードすることができました。

国内某社では、従業員一人ひとりの「エンプロイージャーニーマップ」を作成し、入社から退社までのキャリアデザインのサポートで、多様な人材が活躍し定着できる会社風土を作っている大手小売店があります。安⼼して働ける制度・処遇改善といった土台を作り、より良い従業員体験をさせることで、業績にも好影響を与えています。

実際成果を出している企業が出ているため、今後このような事例を参考にEXに取り組む企業が増えていくと考えられます。

EX施策のヒント

では、EXを実現するには具体的にどんな施策があるのでしょうか。
例えば、新入社員や転職者に対し職場に馴染めるようオンボーディングの強化を行うこと、1on1ミーティングを通じて社員との信頼関係の構築や自主的な行動を促すこと、社員を適切な部署に配置する人事マネジメント、社員への手当や福利厚生を充実させることなどの施策が挙げられます。
中でもオフィス設備を整えたり、生産性を向上させる働きやすい環境づくりにはITツールが活用でき、効率的な作業環境・生産性、繋がり・仲間意識や帰属意識の醸成、存在価値の可視化・制度といった施策をサポートできます。さらにヘルスケア・メンタルケア、従業員満足度の定期的な評価、スキル向上のための学習プログラムやアドバイスを行うシステムなども出てきています。ITツールやサービスの組み合わせや利活用で、従業員一人ひとりの特性に合わせた働き方を選択できる環境を構築することが可能です。

ITで働きやすい環境を作る

まとめ

EXは、従業員の会社への貢献意欲を高め、ブランドイメージや業績の向上に繋がる考え方です。前例や慣習に囚われず、時代に合わせながら多角的な視点で取り組み、従業員一人ひとりに合った立案と施策を準備することが大切です。EXは従業員のためのみならず、企業にとっても優秀な人材の確保ができ、ひいてはCXに繋がる考え方です。どのような体験が企業の成長に繋がるか、ぜひ考えてみてはいかがでしょうか。

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