はじめに/BYODの課題

ある調査によると、企業ではブラウザベースの業務が75%に及ぶという結果が出ており、今やネットワークとブラウザがあれば、業務の多くはテレワークで行えると言っても過言ではありません。
テレワークを実施する企業では、インフラ構築に時間とコストをかけ、リモートアクセスやシンクライアントなどの仕組みを導入し、利用者へ接続機器を配布する対処が一般的でした。最近ではテレワークへの移行時間の短縮や、コスト低減のためにBYOD(Bring Your Own Device)を取り入れ、個人所有のデバイスで業務を認めているケースも多く見られるようになっています。しかしその場合、企業が配布したテレワーク用の端末と私用端末が混在した状況となるため、運用管理が煩雑になりがちです。
またBYODで利用される一般的なブラウザは、コンシューマー向けに使いやすさを重視しているため、セキュリティ面において万全とは言えず、ウイルス感染やSaaSへの意図的な不正アクセス、シャドーITの制御ができないといった課題が残っています。

エンタープライズブラウザとは

セキュリティに課題があるBYODですが、解決策の一つにエンタープライズブラウザを導入する選択肢があります。エンタープライズブラウザとは、一般的なブラウザとは異なりビジネス利用のためにセキュリティが強化された有償アプリケーションのことを指します。一般的なブラウザ利用の場合、他のセキュリティ製品を組み合わせることで操作やアクセスの可否を制限し、セキュリティを担保します。一方エンタープライズブラウザは、ブラウザ自体に堅牢なセキュリティ機能を持たせた仕組みのため、ブラウザ単体で情報漏洩対策が可能となります。
いつ、誰が、どのアプリケーションやWEBサイトで、どんな操作をしたかが分かる機能や、アクセス制限やダウンロード制限を行うフィルタリング機能が代表的なものとしてあげられます。
その他、IDとパスワードの自動入力でヒューマンエラーを最小限に抑えたり、ユーザーのアクセス履歴・キャッシュ・認証情報を端末内に残さず個人情報を保護したり、利便性の向上とプライバシー侵害を防ぐことも可能です。
これらは機能の一例ですが、エンタープライズブラウザとは、企業が必要とするセキュリティ機能を実装したブラウザです。

エンタープライズブラウザに適しているシーン

モバイルワーク
エンタープライズブラウザはマルチデバイス・マルチOSで動作するため、タブレットやスマートフォンを利用したモバイルワークにも適しています。情報を端末上に残さないため、万一デバイスの盗難や紛失にあっても情報漏えいを防ぎます。モバイル端末のBYOD利用の課題である「管理」「買い替え」「業務とプライベートの区別」にも対応できます。

外部委託先との協業
外部委託先との協業では個人情報や機密データの管理などセキュリティ対策が必須となるため、これまでは委託先が利用するVDIの整備や専用端末の提供、またアクセス制御や可視化のためのセキュリティ製品の導入といった手間とコストかかっていました。コスト以外にも社内システムへのアクセスに時間がかかる、反応が遅く業務効率が低下するといった問題も起こります。 エンタープライズブラウザは、委託先の端末にインストールしたタイミングですぐに業務に着手できることや、WebアプリケーションであればVDIなどと比べてブラウザから直接アクセスできるため効率的といった特長があります。

エンタープライズブラウザに適しているシーン

エンタープライズブラウザを選択するときのポイント

エンタープライズブラウザ導入を検討する際は、以下の点を考慮し、自社に適した製品を選択すると良いでしょう。
・セキュリティ機能が自社業務に適しているか
・自動ログインやセッション制御など必要な機能があるか
・自社の業務アプリケーションに対応しているか
・導入や運用コストが適正であるか

まとめ

エンタープライズブラウザは、業務環境の安全性を高めるセキュリティ対策の一つです。今後もSaaS利用や業務システムのDXなどによりブラウザベースでの業務が増加することが想定されるため、導入しやすいエンタープライズブラウザのニーズがより高まっていくことが予想されます。自社端末でブラウザベース以外の業務では、リモートアクセスやシンクライアントを活用するなど使用目的に合わせてセキュリティを担保する必要がありますが、BYODのセキュリティを比較的低コストで確保できるエンタープライズブラウザの導入も検討されてはいかがでしょうか。 エンタープライズブラウザについてのお問い合わせ、また説明をご希望の方はこちらからお問い合わせください。

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