はじめに

スケジューラー、勤怠管理、ビデオ会議、チャットなどの一般的な業務で使用される、いわゆるホリゾンタルSaaSと呼ばれるサービスが業種を問わず広く普及しています。しかし、使い方にもよりますがこれらのツールを導入すればすべて円滑に進められるとは限りません。業務に関連するデータ共有や管理方法なども課題になりがちです。
そこで、社外取引先を含めたプロジェクトメンバーの属性、ナレッジ、業務に対する意識や理解の差を埋めながら協同編集ができるコラボレーション系SaaSに注目が集まっています。今回はビジネス用途で多くの企業で導入されている代表的なSaaSをご紹介します。


新たなワークスタイルを創出するコラボレーション系SaaS

新しい働き方を支えるコラボレーション系SaaS

コミュニケーションを強化するビジネスチャット「Slack」
チームやプロジェクト毎にチャンネルを作成し、適切なメンバー間でのチャットをはじめ、ファイル共有、ビデオミーティングも可能なSaaSです。外部サービスとの連携することでSlackにすぐに通知が届くなどの高い利便性が特長です。

ユーザー毎のアクセス権限で高いセキュリティ「Box」
クラウド上でのファイル共有は便利なサービスです。Boxはユーザー毎に閲覧、編集、ダウンロードの可否を設定できるため、不正な操作や過失によるトラブルを回避します。また、オンライン上でファイルの編集やコメント付与といった機能で、社内外メンバーとの協同作業も可能です。

Officeソフトと連携しながらビデオ会議ができる「Teams」
チャット画面で共有したファイルを、画面上でチャットメンバーと協同編集することが可能です。ビデオ会議をしながら、一般的ビジネスで使われるExcelやWordをリアルタイムで確認できるため、作業効率の向上に寄与します。

ホワイトボードで情報や考えを共有する「Miro」
さまざまなアイデアや情報を、ホワイトボード上で協同編集できるSaaSです。手書き入力はもちろん、あらゆる形式のデータ共有が可能です。マインドマップやZOOMといった外部ツールと連携することで、より深い意思疎通が可能です。例えば企画立案時のアイデア出しや、ブレスト、製品開発でのイメージ共有など、意識を共有しながらプロジェクトを進めることができます。協同で作成したホワイトボードはそのまま議事録として残せるため、Web会議の効率化にも役立ちます。

分散した業務関連情報を一つのワークスペースで処理できる「Notion」
例えば、ドキュメントはファイルの送受信で管理、プロジェクトやタスクの進捗は別のSaaSで管理、さらに個人の業務データはまた違う方法で管理するなど、利用するソフトやサービスが分散することで効率が低下するケースもあると思われます。これらすべてを一つのワークスペースに集約し、業務効率をより向上させるSaaSです。さまざまなSaaSやストレージに分散している情報やデータをまとめ、効率よく整理できることも特徴です。

このようなコラボレーション系SaaSは、企業の新たなワークスタイルの確立をサポートし、スタンダードになっていくことが期待されています。

SaaS普及を後押しする背景

SaaS普及の背景には、周知のとおりリモートワークに対応しやすいこと、初期投資が少ないこと、運用管理の負担が少ないこと、サブスクリプション制で導入が容易なこと等があげられます。また人材の流動化が進み、社員の増減に伴い容易にスケールできる利便性もあげられます。

SaaS導入時に留意すべきことは

大きく期待されているSaaSですが、企業導入に際し気をつけるべき点がいくつかあります。

SaaS利用の講習会やトレーニング ― SaaSを導入する際、導入する部署やチームのすべてのメンバーが使いこなすことで効果が発揮されます。そのための定着、また不正アクセス、誤操作による過失を抑止するためには、講習会やトレーニングの実施が有効です。従業員が使い方に慣れるまではサポートが必要となります。

セキュリティの確保 ― SaaSを提供している事業者によって、データの所有権やセキュリティに関する契約や約款が異なるため必ず確認しましょう。企業データがクラウド上に保存されるため、自社のセキュリティポリシーに応じて、必要であればプラスアルファのセキュリティ対策を検討しましょう。

システム障害への対応 ― SaaSはオンラインベースで展開されるサービスのため、提供側のシステムに障害が発生すれば、その影響は業務全体に広がる可能性があります。そのため、障害発生時の対応策も事前に確認し、万全の態勢を整えておく必要があります。

まとめ

今回ご紹介したSaaSはほんの一部で、法人向けのさまざまなSaaSが続々と登場しています。類似した機能を持つSaaSもあるため、選択する際は、自社の用途や目的を意識しつつ、ユーザーが使いこなせるかどうか、従業員のITリテラシーも考慮して導入することが重要です。セキュリティや障害対応を考慮し、SaaSの力を最大限に活用することで、私たちは安全でありながらも革新的なワークスタイルを生み出すことが期待できるでしょう。

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