Column

BCP(事業継続計画)策定で差が出たテレワーク導入

COVID-19によりテレワークが
普及・拡大

大きな災害や不況など、経済や社会を揺るがす事態が起こり、以前の生活や状態に戻ることが難しい場合、生活様式や社会構造を変化させ、新たな常態・常識となることを「ニューノーマル」といいます。2020年初頭より始まったCOVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大は、未だ収束の気配を見せおらず、コロナ前と比べマスク着用や手洗いや消毒、三密を避ける行動などがすでにニューノーマルとして常識化しています。この新常識は企業にも、とりわけ従業員の働き方へ強く影響を与えました。出社せずに業務を行うテレワークに注目が集まり、緊急事態宣言を契機に実施した企業が数多くあります。

BCP(事業継続計画)とは

新型コロナのような突発的なことが起こらない限り、BCP対策の重要性に気付かない企業が多いことも事実です。 BCP(事業継続計画)とは、企業が自然災害、大火災、テロ攻撃などの緊急事態に遭遇した場合において、事業資産の損害を最小限にとどめつつ、中核となる事業の継続あるいは早期復旧を可能とするために、平常時に行うべき活動や緊急時における事業継続のための方法、手段などを取り決めておく計画のことです。いわば保険のようなもので、起こるとも起こらないとも言えない万が一のことに対してのIT投資は、どうしても後回しになりがちです。

BCPの策定がテレワーク継続率の高さにつながる

ある調査資料によると、従業員規模が大きいほど、BCPを策定している率が高いことがわかっています。300人~1,000人規模では約43.3%、1,000人を超える企業では約52.6%と、半数以上の企業がBCPへの取り組みを行っています。
(参考資料:帝国データバンク https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p190604.html
もう一つのデータは、2020年最初の緊急事態宣言でテレワークを導入した企業のうち、現在も継続してテレワークを実施している割合を、従業員規模別で調査した結果です。こちらも従業員規模の大きい企業ほどテレワークを継続実施しているという調査結果があります。
(参考資料:https://www.tdb.co.jp/report/watching/press/p190604.html

BCPを策定し日頃から天災やパンデミックなどを想定し準備していた企業ほどテレワークの継続実施を行っているという、いわば当然とも言える結果となっています。

感染症対策を前提としたBCP対策のポイント

実際、急いでテレワークを導入した企業は、VPN接続による業務アプリの反応の遅さ、セキュリティ面での不安、コミュニケーションがうまくいかないなど、IT環境において多くの課題があることに気付いたことと思います。また、BCPを策定していても全社員分を想定しておらず、全体の10%程度の同時接続率の環境であるといった例もありました。このように、BCPを策定していてもテレワークの課題は企業により違いがあり、さまざまな対策手段から自社に適した対策の選択が難しくなっています。業務内容、よく使うアプリケーション、既存IT基盤との連携などを見極めた上で、最適なものを選ぶ必要があります。

普段から安全かつ自由に働けるIT環境を準備

事業継続が困難になる想定リスクとして、大企業になるほど業務システムや情報セキュリティといったIT関連のリスクを挙げています。どんな状況になっても企業活動を継続できるIT環境はどのようなものでしょうか。個々の課題に対しては、例えば仮想デスクトップの環境整備をはじめ業務システムのクラウド化や、サイロ化しているデータを集約、また災害時でもアクセスできるバックアップ回線の構築などがあります。

災害に対するBCPと、現在のような感染症対策でのBCPとでは、その質や要素が異なること分かってきています。これからは自然災害や感染症をはじめ人為的な被害などより幅広く想定した対策に変わっていく必要があります。

またBCPのコストを抑えることも重要です。多くの企業は基幹システムのBCP対策は図られていますが、従業員のOA環境まで考慮しているケースは少ないと思います。BCPにかかる費用を抑えるため、クラウドサービス等をうまく利用し、平時における働き方改革にも役立つ仕組みを考えてみてはいかがでしょうか。